しらふって…

 しらふってなんだろうね。常に脳内麻薬が出ているのだし、それが出なくなったら脳の病気なのにね。
 しらふをググってみても「酒を飲んでいない状態、酒に酔っていない状態」しか出てこないよ。つまり飲酒専門用語なのかな。そうじゃないだろう。辞書の定義が実態に追いついてない。酒以外の全てのドラッグも含めて「摂取していない状態、影響下にない状態」として使われてるよね。
 俺は処方箋薬を飲み続けているから、初診日の2012年10月以来、ずっとしらふではないんだ。
 一度、発狂トリップでこの世が終わったことがある。この世の全てがあるべき場所にぴたりとはまって、全てに納得できて、渦巻きながら一点に集約して、消滅して後、永遠に続いてもいいと思えるほどの安堵と心地よさがしばらく続いた。でもトリップから覚めたら何も終わっていなかったし、部屋がめちゃめちゃに荒らされていた。鍵は閉め切りで閉じこもっていたのだから自分が無意識に暴れたのだ。幻覚なんてもんじゃない。現実が違ってた。
 脳内麻薬って他のどんなドラッグよりも強力だ。良くも悪くも。脳次第で主観的現実はどうにでもなるということを身をもって体験した。現実は脳が作っているのだから当たり前だけどね。だから何が起こってもおかしくない。体験には本当も嘘もなくて人によって違うことがあるというだけ。
 どうしてしらふが良いこと、健康なこととされてるのかわからない。人間の一生、しらふである時間など一瞬たりともないのだ。むしろ逆なんじゃないかと思う。人間は常に狂ってて、ある種のドラッグは一時的に正気をもたらしてくれる。俺の主観的な思い込みだろうか。それをアルタードステイツとかアウェイクニングとか言うのは大げさだと思うけど。
 もしも本当にしらふだったらどうなるかね。脳内麻薬の分泌もなく報酬系が一切機能しなかったら?

 地獄だと思うな。

 苦労信仰や精神論根性論の人は、それが実現したら喜ぶかね。そうは思えない。みんなこぞって自殺に走ると思う。
 各種ドラッグの危険度、有害度を比較することが当たり前のように行われているけど、俺はそんなもん人それぞれで意味がないと思ってる。それに、危険なドラッグのジャンキーになってそれが原因で死んだとしても、だから何?って思う。それも一つの人生だし、その人自身はそれで幸せかもしれないじゃないか。危険だから規制するとか大きなお世話だ。
 俺は一人で酒を飲むのはやめたけど、それは健康のためでもないし、酒が悪いからでもない。酒の快楽をその後の不快感が上回るようになったからにすぎない。酒やつまみに金がかかるというのも理由の一つだし、めんどくさくなったというのが一番の理由かな。
 飲まないでいたら酒に強くなった。兄と会うときは飲み放題飲むけど、ビールぐらいじゃほとんど酔わない。日本酒をプラスすれば別だけど。やめた俺は酒に強くなって、アル中で毎日飲んでる兄は逆に酒に弱くなってきたそうだ。たぶん肝機能の違いだろうね。兄は毎日飲んでるから肝臓が弱ってきてアルコール分解能が低下してるんじゃないかと思う。
 まあ酒の話はどうでもいいね。

 世間ではしらふが美徳みたいだけど、俺はしらふなんてないという考えだし、フツーの意味でのしらふもできる限りなくしたい。常に何か摂取してトリップしていたいな。
 でもね、あらゆるドラッグへの関心が薄れてきてるのも事実なんだ。なんでだろうね。もう十分なのか、全ては脳次第だから思索で満足なのか、それとも単にめんどくさいのかな。でも毎日吸っていたいのも確か。矛盾してる。

 最後に近況報告でも少し。
 ご存知の通り最近は鬱だね。Netflixと食事と睡眠に逃避してるような生活で、旅行の準備もちっとも進んでない。日本脱出はおろか旅行の計画すらできない状態。先のことを考えると、最悪のシナリオばかりが思い浮かんでしまって計画が立てられない。鬱状態なんて何度も何度も繰り返し経験してるのに、未だに有効な抜け出し方がわからないし、前回どうやって抜け出したのかも思い出せない。待つしかないのかな。
 そんなだから何の進展もなくて考えたことを書くしかなかった。体は何も異常ないからそのうち復活するだろう。ご心配なく。

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